201系「四季彩」を追って

今日は午後から都区内で用事があったのですが、先週予告した通りそれまでの時間をただ家でぼんやり過ごしても勿体ないので、201系の「四季彩」を追って青梅線へと出向いて行きました。青梅線は立川起点なので、武蔵溝ノ口から南武線に乗れば直行で行けるし、新宿周りよりも明らかに早いのでそのルートを取ることにしました。意外なところでこういった路線が役に立つものなのですね。
で、今日は土日ということもあり南武線にも臨時列車「いろどり山梨さくらんぼ号」が走るということなのでちょっと早めに出発して、稲田堤駅にやってきました。

「ヨコハマ・デスティネーション・キャンペーン」の記念ヘッドマークを付けた205系がやってきました。同線を走る何編成かに同様のマークが付けられています。

撮っていたホームでふと足元を見ると、こんな指示目標がおいてありました。いかにも臨時列車用らしくて思わず笑みがこぼれてしまいました。

通過時刻の10分ほど位前にやってきていたので、次の列車はもうお目当ての485系改JTいろどりです。同車両の編成写真はこれが初めてだったので、被りもなく無事に撮れてほっとしました。

稲田堤駅では京王相模原線との接続を考慮してか停車です。しばしの停車時間ののち、ゆっくりと発車して行きました。
この後は続行の普通に乗車し、立川を目指します。
立川からは青梅線E233系に乗車。「四季彩」の運用は早朝の一往復を除くと原則青梅〜奥多摩間に限定されているので、ここから青梅まで30分ほどの乗車はE233に任せることになります。土休日の午前中ということもあり車内は行楽客で結構賑わっていました。
青梅に到着します。青梅〜奥多摩間は大体片道で40分ほどかかり、大体昼間はこの区間内の運用列車を3本仕立てることでダイヤが組まれています。その為、列車間隔は30分に大体1本位となり、(完全なパターンダイヤではない)どんなに運が悪くても1時間半待てば必ず四季彩に乗れるということになります。たまたま行った時は幸運にも20分ほど待つだけで乗車できるタイミングだったので、とりあえずまずは乗車してみることにしました。
ホームで待つこと10分ほど。奥多摩方の踏切が鳴り出しいよいよ奥多摩からの普通運用に就く四季彩がやってきました。

まずは定番のアングル、ホームからの駅撮りをします。やはり惜別目的か、ハイキング客以外にもカメラを構えて撮影している人の姿が私以外にも多く見かけられました。

ヘッドマークを撮影。これももう見納めかもしれません。

縦アングルで、青梅駅の駅名表と絡めての撮影。駅名表が結構手の込んだつくりになっていて、単なる東京方面への通勤路線としてのみならず、観光路線としての地位を確立しているのだな、と感じさせられました。
続いてそれぞれの号車の側面を車番の記録がてら撮影して行きました。

立川方の先頭車、クハ201-134です。桜のラッピングがしてある通り、「春」をイメージした柄絵が入っています。

2両目、モハ201-263です。植物についてはあまり詳しくないのでよくは分りませんが、夏を基調とした柄ですね。

3両目、モハ200-263です。こちらは秋をイメージした柄絵。色づくもみじが綺麗です。この紅葉のもとを走る四季彩、一度は眺めておきたかったなと思いますが、もうそれもかなわぬ夢となってしまいました。

そして、奥多摩方の先頭車クハ200-134です。冬の柄をイメージしており、おそらく柚子のラッピングがしてあるように思います。

2,3号車の車内の写真です。このように、立川を向いて左手側に多摩川の渓谷を臨むことが出来るように、片方の座席はボックスシート、もう片方はロングシートになるよう、座席配置が工夫されています。また、大きい荷物を持つことが多い登山客の存在を意識してか、(実際先週はそれに大きく助けられましたが)ボックスシートの窓寄りには荷物置き場と思われるスペースも配置されていました。
写真にはあげてはいませんが、1,4号車の座席の一部はベンチのように加工されており、これも腰掛けることで奥多摩の渓谷を十分楽しめるような作りになっていました。
発車時間が近付いてきたので車内に戻ります。東京方面からの快速列車との接続を待って、定刻通り発車です。この時点では概ね座席が概ね全部埋まるぐらいの乗車率でした。

発車してしばらくは同じような乗車率のまましばらく進みます。季節も良い時期で、また天気もそこそこ良かったのでハイキング客が乗客の大半を占めていましたが、やはりハイキングで有名な御嶽駅辺りからだんだん降車客が増えるようになってきました。この辺りからは多摩川渓谷を左手側に見下ろしながらゆっくりと進んでいきます。これでも東京都内、という訳ですから意外に東京、というのも奥の深い場所なんだな、とか思いつつ、(まあ沖ノ鳥島とかも東京都なんですがね)先日眺めた景色をボックス席からゆっくりと眺めます。終点奥多摩に到着する頃には大体乗車率は2,3割位になっていました。
ところで景色を楽しみつつも、折角乗車したのだから何処かで撮影できる駅がないかな・・・と思い車窓の風景を探していたのですが、殆どの駅が島式ホームか、片面1線のホームばかりだったので、あまりいいアングルは手に入りそうにない感じでしたが、軍畑駅手前の軍畑鉄橋の辺りでは何人かがカメラを抱えているのが見られ、また奥多摩よりの鳩の巣駅は辛うじて6連の列車が行き違い可能な位のこじんまりとした対面式の交換駅だったので、上手くタイミングをとりつつ、この2カ所で撮影することに決めました。

奥多摩に到着の「四季彩」奥多摩駅東京近郊区間ながら結構山深いところにあるのでホームは結構急なカーブになっています。

足下注意!とホーム側に警告表示がしてあります。普通はこういう表示はたいてい見かけだけのことが多いのですが、ここは本当にかなりの距離があり、下手をすれば体ごと落ちてしまうのではないかと思えました。
一通り奥多摩駅での四季彩を眺めた後は、折り返しの列車で再び青梅方面へと向かいます。今度は先程眺めた軍畑鉄橋からの俯瞰構図で撮ろうと一旦軍畑で下車し、駅からすぐの鉄橋近くの撮影地に向かいました。先程私が車窓から時には10数人がカメラを構えていたので場所取りなどは面倒だろうな…、とか思いながら行ってみると意外に人は少なくせいぜい3.4人だったので場所取りには苦労せずに済みました。この撮影地は2つに分散していて、鉄橋近くで車両をアップで撮る構図と、やや離れた位置で俯瞰気味に撮る構図の2パターンが可能なのですが、比較的すいていた俯瞰構図から撮影することにしました。

踏み切りが近くにあるおかげで列車の接近は分りやすいです。この編成は四季彩の後続の普通青梅行きで、この先で交換することになっている列車です。

そして本命の四季彩。数枚連写したのですがケツ切れを起こしたり架線柱が入りこんだりしてしまってあまりいい構図にならなかったのですが、辛うじて上手く収まった一枚です。
で、この後何を血迷ったかこの撮影した編成に乗ろうと軍畑駅まで猛ダッシュ。結局ドア閉めのギリギリ直前に滑り込む格好で間に合ったのですが、しかし、ひやひやさせられました。車内は比較的すいていたので適当にくつろぎつつ次の撮影目標の鳩ノ巣駅で下車します。上手く取れる位置は無いかな…と思いながら適当に駅構内を歩き回り、ホーム端からそこまでズームを効かせることは出来ないもののまずまずの撮影地を見つけ、ここでカメラを構えることにしました。


入線時と客扱い停車時の写真を1コマずつ。新緑が少しバックに入ってくれていい感じです。この後続の列車で折り返してもよかったのですが、折角なのとまだしばらく時間があったこともあり、この列車の折り返し運用の奥多摩行きまで待ってみることにしました。


この後続のE233の普通です。こちら側からなら、ホームこそ入ってしまうものの35mm換算で200mm以上の中望遠でも結構すっきりと編成を収めることが出来ます。折角なのでこのアングルでも四季彩を撮ってみたかったわけです。
まだ時間は1時間近くあったので、駅構内にある紫陽花などを眺めたりして時間を潰します。この辺りでも東京から列車でさほど遠くない距離ではありながら、奥東京の山深い空気を十分に満喫することが出来て、いい気分転換になります。



構内に咲いてあった紫陽花が綺麗だったので何枚か撮影してみました。駅前は普通の生活道路になっているので、流石に駅から渓谷を大きく俯瞰する、といったような眺めは残念ながら得ることは出来ません。それでも一時間ほどの間、飽きることは無く過ごせました。
で、肝心の奥多摩行きの普通を撮ろうかと思ったのですが、時刻表での下調べが甘かったせいもあり、めでたくE233の青梅行き普通と見事に交換の為に被ってしまいました。そろそろ時間も押してきて流石にもう一往復待つわけには行かなくなってしまったので、この編成の折り返し運用を待って青梅方へと戻ることにしました。

待っている間に撮ったヒトこま。何か一時代昔に帰った、「在りし日の光景」のような空気がそのまま温存されている感じです。私以外にも訪れた人の中でこの駅の写真を撮っている人を何人か見かけました。鉄道目的だけではなく、ハイキング目的でももう一度訪れたいなあ、と思いつつ、向かいのトンネルから頼もしい2灯の前照灯とともに現れてきた四季彩、に最後の乗車として乗り込みました。
そろそろハイキング客が東京方面へと戻り始める時刻ともあって、車内はボックス席が概ね埋まるぐらいの乗車率でした。途中の御嵩を中心にちょっとずつ客を拾いつつ進み、最後には立ち客も出るほどの盛況っぷりで青梅に到着です。いよいよ最後のお別れだなと思いつつ、最後に各車両の側面のラッピングを撮影していきます。




順に春夏秋冬の順で並びました。この後は青梅の駅蕎麦屋でまだ食べていなかった昼食を食べ、後続の快速で東京都心までまっすぐに行きました。ちなみにこの日のイベントは山岳部の山行報告会のようなイベントだったのですが、まぁ半分飲み会のようなもので、帰りはこんな時刻となってしまいました。

が、朝から晩まで有意義に過ごせて結構充実した一日でした。