35,東室蘭〜(18:59→)

↑上野・札幌
EF81-81(青森信〜上野)
ED79-9(函館〜青森信)
カニ24-506
オハネフ25-215(開放B)
オロハネ24-553(A.B個)
オロハネ24-501(A.B個)
スシ24-506(食堂車)
スハネ25-501(B個・ロビー)
オハネ25-552(B個)
オハネ25-566(B個2)
オハネ25-564(B個2)
オハネ25-562(B個2)
オハネフ25-15(開放B)
DD51-1137
DD51-1140
↓函館

という訳で、長かったこの北海道旅行もいよいよ締めとなる列車、寝台特急北斗星への乗車で終わることになります。東室蘭では30分ほど時間があったので、取り敢えず駅構内を適当に散策することにします。

まずは東室蘭の駅舎を撮影。ホーム自体は国鉄時代からのものを彷彿とさせる雰囲気なのですが、最近になって駅の整備が行われたようで、このように比較的新しい橋上駅舎になっていました。駅全体も、もうすっかり夜の雰囲気に包まれています。

構内の自由通路を撮影。間接照明風の天井も中々近代的ですが、若干薄暗い印象を受けました。エレベーターも設置されており、自転車でも通行できるようになっています。

駅の発車案内板を撮影。専ら近郊区間を走る列車ばかりですが、その中で、北斗星の「上野」行きの表示だけが、一際異彩を放っているように思えてきます。札幌駅のような大規模な駅ではなく、こうした地方都市とも上野行きの列車が直結しているのが印象的ですね。

苫小牧方面からの列車も到着して、広々とした駅構内には、一度に3編成の列車が。普段は列車もさほど来る訳ではないこの駅が、短い間ながらも地元客や乗換客などで賑わう瞬間です。

そしえその列車たちも続々とそれぞれの目的地へと出発して行き、構内はまた静かになりました。大勢の人々で賑わう始発駅からの乗車というのも良いですが、こうして途中の小さな停車駅でぽつねんと佇みながら、来るべき列車を待つ、というのも中々風情があっていいですね。
そうしてホームで待つこと10分ほど。列車の接近案内がホームの静寂を破り、その後暫くして遠くから機関車の光芒が少しずつ近付いてきます。そして次第に明るさをますヘッドライトの光とともに、力強いディーゼルエンジンカニの発電機の音を響かせながら、濃紺の客車が入線してきました。いよいよこの旅行の最終列車となる、寝台特急北斗星の到着です。

乗車前に列車の表示幕を撮影。観光列車としてのイメージが強い中で、幕のスタイルは比較的オーソドックスなものだったので、どこかほっとした気持ちになりました。
そして、前日の日記でちらりと触れた通り、今回の乗車はぐるりでも乗車できるB寝台のソロ。連休中の運転ともあり、人気がかなり殺到したようですが、何とか前日の朝にキャンセルを拾うことが出来たので、前もって入手していた開放B寝台の上段からの乗車変更をかけて、こちらに乗車することに。

そして客室内に入る前にまずは内部の写真を1カット。下段の座席でしたが、ベッドとして利用できるほか、座席としても利用できるように簡単な肘掛もセットされています。

隣の上段の寝台はまだ空いていたので、カメラで1カットだけ撮影させてもらいました。客車の車体に合わせて、屋根もカーブしているのが特徴です。

そして自分の寝台に戻り、部屋にセットされていた機器を色々と撮影。まずはこのステレオ。随分簡素な作りですが、それでも4種類の音楽が聴けるようになっています。

そして、寝台内では定番の、シーツと枕、そして浴衣のセット。いつも綺麗に畳まれているのが印象的です。隣には上着をかけるためのハンガーも置かれていました。

天井には蛍光灯と、小さな鏡も設置されています。

入口のドアを撮影。寝台列車内ということもあり、全体として少々狭いような印象を受けますが、それでも隣の人に気を遣わなければならない開放B寝台と比べても格段に居住性はいいように思います。これで開放B寝台と同価格、ということもあり、やはり多くの人に人気があるようです。
その後車内で暫く寛いでいると、検札も兼ねつつ個室のカギを配りに車掌さんがやってきました。嘗ては2往復体制だった北斗星も、今では1往復に減便され、その際にJR東日本所有の車両と、JR北海道所有の車両を色々と組み替えたため、同じ編成内でも号車によってカードキータイプのものから、暗証番号式のもの、そしてこのようにカギを持ち歩くタイプのものなど、個室のカギのかけ方は色々と異なるようです。

一通り自分の車内の写真を撮影した後は、自分の個室にて、暫く休むことにします。東京付近では、延々と広がる郊外の街の灯りを眺めることが出来る時間帯ではありますが、やはりここは北海道。周囲には殆ど灯りも見えず、ひたすら暗闇の中、荒涼とした原野の中を走っていくことになります。時折思い出したように灯りが見えると、そこは小さな駅がある集落だったりする、そうした夜の暗闇の中を走っていきます。
時折思い出したように列車は減速し、停車駅の明るいホームの中に入っていきます。各駅で若干数ながらも、観光客ではない姿ながら東京方面へと向かう人々の姿が見られ、単なる観光列車としてではなく、こうして道内と関東地方の各都市との間での移動手段としてもこの列車が定着しているのだな、と実感します。
1階の個室の為、さほど視界は広くはないものの、室内灯を消して、ふと空の方を見やると、真っ暗な空を埋めつくさんばかりに、一面に星が輝いているのが見えました。都会暮らしをしていては中々見られない満天の星空です。たまたま窓の向きが北方向だった区間もあり、天球を移動する北斗七星やカシオペア座の姿も見ることが出来、まさしく北国らしい空の様相を感じることが出来ました。時折通過する駅の灯りが眩しすぎる位に見えるような真っ暗な部屋の中で、暫しぼんやりしながら、函館本線区間を過ごしていました。
そして21:30頃になったので、間もなく函館駅に到着の時刻です。機関車の付け替えも行われるため、少々停車時間があるので、カマの番号を調べるためもあり、一旦ホームに降りてみようということに。車内を散策がてら前の方まで移動して、先頭の車輛のところまでやってきました。

乗降口と、B寝台への入口の扉を撮影。B寝台、のロゴの横には「指定席」のステッカーが設置されていました。間違いではないのでしょうが、何処か違和感を感じてしまいました。

そして、到着すると、一旦間をおいて扉が開きます。機関車の付け替えを狙うべく、私の他にも何人かの人が下車していました。到着後すぐは機関車付近に人が殺到するので、まずは機関車の側面を撮影。このDD51も、北斗星カラー、ということで側面に眩い星型のロゴが入っているのが印象的です。

そして機関車の先頭まで移動して撮影。ホームの構造上、綺麗に編成写真を撮影出来ないのが少々残念なところですが、札幌から函館までの非電化区間を力強く牽引してくれたDD51の姿を撮影出来ました。

この後DD51と客車は切り離され、機関車は暫くホームにとどまった後、五稜郭の車庫まで返却されます。この写真は客車とDD51との隙間からテールマークを撮影したもの。北斗七星を象った絵柄の元に、北斗星のロゴが綺麗に纏まっています。左上には、今や珍しくなった寝台特急のマークも。

ホームの行き先表示を撮影。やはり道内で見る、「上野」の行き先表示は、本州と北海道の距離を一際強く感じさせてくれるように思います。
その後ここから連結されるED79の方面にも向かおうと思ったのですが、時間がなくなってきたので、車番だけを確認してそそくさと急ぎ列車内へ。発車が迫ってきていることを告げられ、自分の後に何人もカメラを片手に構えた人々が乗り込んできました。
そして21:48に列車は函館駅を出発。この駅が頭端式ホームである為、ここからは列車の進行方向が変わり、自分の個室も、進行方向向きの部屋となりました。
この後は江差線を暫く走った後に、津軽海峡線へと入り、青函トンネルを抜けることになります。この時間は食堂車はパブタイムとして、軽い夕食メニューを提供してくれているですが、連休の中日ともあり、かなりの人々が利用を申し込んでいるらしく、何人も待ち客がいる上に場合によっては先に営業終了してしまう可能性もある、ということだったので、待っているのも面倒だったので自室に戻ることに。そう言えば朝食を食べてからあまりきちんと食事をしていない気もするのですが、まあ良いでしょう。

仕方がないので営業案内の写真だけとって自室に戻りました。翌朝の朝食が06:30〜、ということなので、明日はそれを狙ってみることにします。
青森〜函館間は、もともとローカル線だった、江差線津軽線を、青函トンネルを含む津軽海峡線でバイパスした形で形成されているので、若干の線形改良がおこなわれているとは言え、函館出発後、木古内まではローカル線らしく、カーブの多い線路を何度も往来することになります。そのこともあって列車の揺れは以前より若干大きくなったような印象を受けました。
その後江差線を40分ほど走った後、列車は木古内駅を通過し、津軽海峡線に入ります。特に車窓を意識していなくても分るのは、もともと新幹線規格で作られた路線である、ということもあり、相当高規格に線路が作られている為。複線で直線の続く線路を列車は青函トンネル向けて下り始めます。
青函トンネルに入るまでに何本もの短いトンネルを抜け、出るたびにまだ北海道なのだな、と思いつつ、何本目かのトンネルに入った後、青函トンネル独特のロングレールの走行音が響き始め、いよいよトンネルに入ると同時に、長かった北海道の滞在もいよいよ終わりなのだな、ということをしみじみと実感します。

カメラを窓枠に固定して露光すると、トンネル内を照らすライトがこのように光芒を作ってくれます。一見してはすぐには分りませんが、長いトンネルならではの独特の写真を撮影することが出来ました。
そして、5日前に確認した、青と緑のライン、北海道と青森県の境界を抜け、いよいよ列車は長い上り坂にさしかかります。

坂を登り始めて暫くして、竜飛海底駅を通過。このようにライトの光芒の他、駅の出入り口のライトが灯す光も拾うことが出来ました。やはり終日、旅客列車だけでなく貨物列車も通過することもあってか、駅自体は何時でも避難できるようにライトは常に点灯させているようです。
その後長い上り坂を走り抜けた後、ふっと突然に車内にも響いていた音がやみ、列車はトンネルの外に出ました。いよいよ本州に戻ってきました。青森県への到着です。車窓の雰囲気は依然と変わらないままですが、やはり本州に戻ってきたのだな、という感慨はひとしお。

寝る前に自室の近くにあったロビーカーにやってきました。食堂車の待合室になっていたこともあり、函館の到着前後まではかなり混雑していたのですが、食堂車の営業も終了した今は、皆それぞれの寝台に引き上げてしまったようで、ガラガラの状態になっていました。ロビーの奥には、時間予約制のシャワールームが設置されていて、食堂車の売店でシャワーカードを購入すれば、誰でも使用できるようになっています。

ロビーにはソファー型のシートの他に、このような一人掛けのいすも設置されていて、広々とした空間内で時間を過ごすこともできます。
その後暫く走った後で、列車は蟹田駅で若干の運転停車。疲れていたこともあり、この辺りで今日は眠ることにします。