大和三山へ

さて、この日も実家にいたのですが、ハイキングがてら大和三山に登りに行こうということになり、近鉄列車を使って畝傍御陵前までやってきました。行程は畝傍山天香久山、その後藤原京を歩いた後、耳成山を経由して帰路に、という流れです。

始めに登った畝傍山からの耳成山の眺め。大きく広がる奈良盆地の中で、森に覆われてこんもりと茂る山は少し不思議な印象を与えてくれます。

この付近は近くを近鉄南大阪線が走っているので、頂上付近から上手く場所を選べば、このように平野部の線路を走る列車の姿をとらえることが出来ます。もともとは会社も軌間も違ったこの線区は、同じ近鉄とは言えやはり独特の存在であるように思います。

前面が架線柱に被ってしまいましたが、今なおこの線区で活躍を続ける16000系の特急に出会いました。観光地としても名高い、吉野への直通列車ですが、2両編成という短編成がいかにもかわいらしいですね。製造から40年近くが経過しており、今後の展開も気になる車両ですが、現役で運転されている間に乗車しておきたいものですね。


この後は線路をまたいだ反対側の本薬師寺にやってきました。お寺自体は殆ど残存していないのですが、嘗ての境内の中にはこのようにホテイアオイの淡い紫色の花が一面に咲いていました。少し見ごろを過ぎた感じもする彼岸花と絡めて撮影。

吉野方面に連なる山々を遠景に、ホテイアオイの花が一面に咲いています。魚を飼う時の水草として有名なホテイアオイですが、花はこのような姿をしているのか、と少し驚かされました。

ホテイアオイの花を拡大して撮影。花弁の形にも気品を感じます。

西方向を振り返ると、住宅街の中に畝傍山が静かに佇んでいる様子を眺めることができます。


この後はさらに20分ほど歩いて、藤原京跡へとやってきました。知名度平城京跡よりも低いせいか、建物は復原されておらず、柱の立っていた位置にこのように朱塗りの短い柱が所々に立っています。

跡地は基本的に建物もなく、低い草木が茂っています。全体を眺めた感じとしては、広大な広場、といった感じでしょうか。

東の方向には、天香具山が佇んでいる様子を眺めることが出来ます。

入口には、このような看板が立っていました。平城京跡と比べてもあまり知られていないこの場所ですが、簡単ではあるものの、史跡として大事に保護しようという意図が感じられます。

この後は暫く歩いて天香久山に登ります。所要時間は10分ほどでしょうか。頂上からの眺望はあまり良くはありませんが、このように小さな神社が建っていました。気候も丁度良い時期ともあり、他にも多くのハイキング客で賑わっていました。

その後は歩いて耳成山方面へ。道中では綺麗なオレンジの実をつけた柿の木が立っていました。太陽の光を受けて輝く姿が綺麗だったので1枚。

途中は集落の間を抜けるアスファルトの道が続きますが、時折住宅街を背景に、耳成山が佇む姿を眺めることができます。

方角を変えて眺めてみると、先程登った畝傍山の姿も見ることができました。少しずつ色づき始めた稲穂を背景に撮影してみました。そういえば、先日の関東地方や北海道と比べても、色づき方からみても、奈良県の稲の刈り取り時期は遅いようですね。

その後は近鉄大阪線の線路を渡って耳成山へ。他の山とは違って頂上までゆるい上り坂の道が付けられていて、大分歩きやすくなっていました。途中には他の山たちと同様、小さなお寺がありました。

耳成山も、頂上付近は木々に覆われていてあまり眺望は良くなかったのですが、木々の隙間から、奈良盆地生駒山の広がる姿を眺めることができました。中央には一部開通の京奈和自動車道の高架橋が続いているのを見ることができます。

その後は大和八木駅まで歩き、自宅へ帰ることに。

途中で丁度写真が撮影できそうな踏切があったので、丁度やってきた特急列車を撮影。近鉄特急としては、オーソドックスな12600系がやってきました。

その後は八木駅まで歩き、折角なので大阪線ホームで普段あまり撮影する機会のない大阪線の列車などを撮影。

1400系+丸屋根車の上本町行き準急がやってきました。奈良線の8810系と外見は似ていますが、裾周りが下の部分まで直線で設計されているところが、少々違うところです。

その後上本町行きの急行がやってきました。ここで準急列車を追い抜きます。編成は大阪線ではかなり希少種となる、5850系。L/Cカーであることに加え、長距離運用をこなすことが多いせいか、車内にはトイレも設置されてあります。日ももうすぐ翳り始める時刻で、綺麗な光線状態で撮影できました。

その後は難波行きの特急列車がやってきました。前2両は標準軌線区では最大勢力となる12200系、後ろ4両はビスタカーこと2階建て車両を含む30000系。

この後は30000系4連によるビスタカーがやってきました。こちらは京都行き。先程の列車は名阪乙特急で、こちらの列車は賢島方面から京都方面へ直通する列車。八木駅で両者が並ぶことで、賢島、松坂方面から大阪方面へも乗り継げるようにダイヤが工夫されています。

その後は再び上本町行き準急。1220系と丸屋根車4両の編成です。大分日も翳ってきて、貫通扉付近に丁度日が差し込むようになりました。

その後、名阪甲特急となるアーバンライナーがホームを通過。日も落ちかけた線路を颯爽と通過して行きました。登場からはや20年近く。車内も更新工事を受け、なおも活躍を続けます。この編成は中間に増結2連を含んだ8連での運転でした。

その後はホームの反対側に移動して青山町方面の列車を撮影。2+2+2の通称「ブツ6」の青山町行き急行列車。直線からカーブに掛かる区間で、編成全体を綺麗に収められました。

日も落ちてきたのでこの日はこれにて実家へと戻ることに。普段中々訪れることのない奈良県の魅力を再発見した1日となりました。