その後、「ポートトレイン横濱」に乗車

先ほど撮影した湘南新宿ライン直通の特別快速に乗車した後で、大船からは横須賀線の普通に乗車し、鎌倉までやってきました。ぶらり鎌倉号の時に気づいていた、ホーム横須賀よりの端の撮影場所と思しきところに行ってみると、やはり2,3人それと思しき人達が集まっていました。今回の車両は先日撮影した485系改造JT、「彩」なので車両自体はさほど珍しくないのですが、何せ今回珍しいのはその運行ルート。運転区間は鎌倉〜甲府で途中の八王子から甲府までは中央本線を走るのですが、そこまでの経由が鎌倉〜(横須賀線)〜大船〜(根岸線)〜桜木町〜(高島貨物線)〜鶴見〜(武蔵野(貨物)線)〜府中本町〜(南武線)〜立川〜(中央本線)〜八王子、と横須賀線から根岸線への転線、普段は臨時列車を含めても旅客列車が滅多に入ることのない高島貨物線への入線、府中本町での武蔵野線南武線への転線、など、色々とイベントが盛りだくさんな訳です。(時刻表上で横浜駅が||(経由しないとの意)表示になっているのもこの為です)ちなみにですが、この高島貨物線を経由する、「ポートトレイン横濱」、各地のJTを用いて8月末まで毎週運転されています。
さて、列車紹介はこれぐらいにしておいて、鎌倉駅でのその後について話を移します。

横須賀線久里浜方面行きの列車です。ホームが久里浜方で微妙にカーブしているために、このようなアングルで撮影することが出来ます。(但し相当の望遠レンズが必要です、そのためこの画像も300mm相当で撮影したものを大幅にトリミングしてあります。)ちなみにですが、この列車から撮影隊に加わった人も1,2名居ました。

そして、いよいよお目当ての「彩」を用いた「ポートトレイン横濱」が入線してきました。幸いにも久里浜方面への列車はホームに居らず、安全な位置から撮影できました。ここもやはりかなりの望遠レンズが必要ですので、本気で撮影するときは別の場所にし、この駅では乗車するときのスナップ程度の撮影にとどめておくのが無難であるように思います。
で、その後急いで乗車位置まで移動。ここで撮影していた人は殆どが乗車も兼ねていた様で、5,6人がホーム上を疾走という異様な光景になってしまいました。

で、そのときに撮影した前面のディスプレイ。幕表示やLED表示から一歩踏み出してディスプレイ表示としたのはいいのですが、首都圏での列車では全て表示が「い ろ ど り」なのはちょっと残念です。(本拠地である松本・長野地区ではちゃんと列車名が表示されるようです)
さて、という訳で初めての「彩」乗車です。乗車時に駅員さんが記念にということで乗車証明証を渡してくれました。
車番はこちらの様になっていました。
甲府
クロ481-1502 リクライニング(ピンク)
モロ485-1007 ボックス(黄・紫)
モロ484-1007 展望スペース
モロ485-1024 ボックス(ピンク・紫)
モロ484-1024 ボックス(黄・ピンク))
クロ481-1503 リクライニング(紫)
↓鎌倉

乗車した号車は1号車で、列車の最後尾でした。まずは指定された座席に荷物を置いて、車内をしばらく散策してみることにします。

こちらは乗車した1号車の独り掛け座席。座席番号はC席に相当します。全車グリーン車というだけあってフットレストまできちんと整備されており、中々豪華な座席ですが、普通列車グリーン券だけで乗車できるので区間によっては同区間の特急料金よりも安くなる場合もあり、意外と「乗り得」な列車だったりします。(基本的に全車指定なので18切符では乗車できないのは残念ですが。)

こちらは2人掛けの座席です。座席番号はA,B席がここに相当します。あと、写真からもお分かりの通りですが、窓枠は改造前の485系時代のものそのままを転用していることもあって、残念ながら座席の位置とはぴったりとは一致していません。私の座っていた座席は幸運にも窓枠がすぐ後ろにあったおかげで景色を十分に楽しむことができました。
さて、これから別の号車に足を運んでみることにします。

こちらは2号車のボックス席の様子です。このようなコンパートメント型のボックスが2,3,5号車には配列されていて、2号車はその座席の色がピンク色と黄色、3号車はピンク色と紫色、5号車は紫色と黄色がそれぞれ交互に配置される格好になっていました。たまたま空いていたので撮影させてもらったのですが、今回の編成、ボックス席の一部は団体客用に枠が取られているようでしたが、いざ乗ってみると殆どが個人客のグループのようでした。どうやら個人グループ客用のツアーが売られていたようです。

で、こういった団体専用列車にはよく設置されてある電気ポット。勿論このような一般型の多客臨として運転される場合は殆どが使用できない状態になっているのですが。

こちらは4号車のフリースペースです。団欒用の小さなロビーになっていて、ここで寛いでいる人々も結構いました。

遥々先頭の6号車までやってきました。こちらは1号車と同様のリクライニングシートなのですが、座席の色は1号車が紫色だったのに対して、こちらはピンク色になっていました。また先頭部分にはフリースペースのような空間が広がっていて、正面のテレビには前面展望の映像が映し出されていました。1号車にも同様のスペースがあったのですが、こちらでは回線が繋がっていないからか映像の放映は行われていなかったのでちょっと残念です。

さて、大体車内を一巡して戻ってきた頃には、大船駅での若干の停車時間を含めつつ、今から根岸線へと入ろうという頃でした。普段はE233や今や数少なくなってしまった209系などしか通らない普通の住宅街を抜ける近郊路線なのですが、そんな路線もこうやってイベント列車で乗車するとまた随分と雰囲気が変わって見えることに驚きます。それだけに、この列車が通過する時、駅のホームに立っていた人たちが驚いたような顔をして見送っている姿も印象的でした。やはりこの線にも何箇所か撮影地があるようで、所々にカメラを構えた人たちが見られました。この区間ではやはり先行列車の後追いとなる為か速度は遅めで、2,30km/hで運転していました。そのようにゆっくりと走ること20分ちょっとで横浜市の港湾部に近い石川町に到着です。この当時行われていた「横浜開国博」やもともとある元町中華街が近くにあることもあってか何人かの乗客が見られました。その後暫く走り、桜木町に停車。この列車が走る本当に珍しい区間はここからなので、それもあってか、この駅から乗車する人も(特に同業者と思しき人たちが)多かったように思います。(個人的には大船駅での横須賀線根岸線の転線も結構珍しい出来事だとは思うのですが)
そして、定刻通りに桜木町駅を発車。いよいよ高島貨物線へ進入です。
まずは根岸線の線路と並走しつつ、次第に高架を下って行き、その線路の下をくぐる様にして根岸線からは分岐します。いかにも貨物線らしく、線路の周囲にもあまり人家などは見られず、専らおそらく昔は沢山の貨物列車が行き来していたであろう工場群を両手に眺めながら進んでいきます。途中で一旦再開発と思しき港湾部の公園のような場所が見られ、そこでは数こそさほど多くないものの、わざわざ車両進入禁止用のブロック上から撮影する人までいて、やはりこの区間を運行する旅客列車は非常に珍しいのだなと実感させられました。この辺りはかなり海に近く、残念ながら私の乗った側とは反対側でしたが、海が間近に見え、まさしく「ポートトレイン」だなぁと実感させられました。こんな感じで港湾部をひたすら進むことおよそ10分間、次第に湾岸の高速道路が近付いてきて、その下を潜るともう鶴見駅は間近でした。あっという間でしたが、普段はめったに列車の入線することのないこんな区間に臨時列車で乗車でき、随分と貴重な経験になりました。
鶴見からは先日通った、武蔵野(貨物)線へと進入します。乗務員交代の為か、先日の「ぶらり鎌倉号」と同様、暫くの停車時間がありました。
この後は先週と同様のルートで武蔵野(貨物)線に入ります。まさか1週間おきでここに来るとはあまり予想していなかったのですが、まあ普段普通の列車では通ることの出来ない線区を走るというのはやはり楽しいものです。速度は先週よりも随分早めで、60~70km/h位は出ていて、先日は30分以上掛かったように思えた鶴見~府中本町間が今回はおよそ20分程度と随分速かったように思います。南武線で川崎~府中本町間はゆうに40分は掛かるので、やはり途中停車がないおかげで随分と速達出来るものなのだな、と実感しました。
府中本町では駅の手前にある武蔵野(貨物)線で同線から南武線へと転線。この光景も珍しいとあってか、ここでカメラを構える人々も何人かいました。その後南武線の列車との間隔調整の為か5分ほど停車。もう6時近くなっており、夏場の長い日もそろそろと傾き始めていました。この駅の手前にある、多摩川橋梁を渡っていたときの一枚です。

暫くした後で発車。見慣れた南武線の光景も、こういったグリーン車から眺めると随分と違って見えるのがまた嬉しくも思います。先行列車との関係か、先ほどよりもやや遅めの速度で、ゆっくりと立川を目指します。
立川に到着しました。ここの駅には南武線から中央本線への渡り線は貨物列車等の為に整備されているのですが、鶴見駅と同様、貨物線のような扱いになっている為にホームがなく、駅の中の留置線を通ることになります。これも臨時列車ならではの珍しい体験なのですが、中央本線との列車との兼ね合いもあってか、しばらく停車します。ということで向こう側のホームからこちらがよく見える状態で、ホーム上の人たちが珍しそうな目でこちらを見ているのが見え、少し微笑ましくもありました。そして、その間にスーパーあずさと快速を一本退避します。
かれこれ10分ほど停車したでしょうか、漸く立川を発車。今度は「いろどり」が多客臨等で比較的良く通る中央本線上を快走、とまでは言いませんがそこそこの速度で飛ばしていきました。そして15分ほどで八王子に到着。この列車は甲府行きなのですが、時間の都合もありここで下車することにしていたのですが、やはり貨物線区間目当ての人が多かったようで、随分多くの人がこの駅で下車していました。

そして、同駅を走り去っていく「いろどり」。甲府方の先頭車はピンク色のカラーリングに覆われていたのですが、こちらは紫色のカラーリングでした。
こうして「ポートトレイン横濱」の乗車は完了しました。その後の快速で新宿へと向かいました。大学のテストがそろそろ近付いており少し忙し目の日だったのですが、随分といい経験になったな、と実感した一日でした。