05,上高地→新島々(10:40→11:45)

松本200 か 20
さて、上高地に到着したのは10:30頃。バスの時刻を調べてみると、すぐバスがある、ということだったので乗車整理券を貰いに行くと、まだ残っている、ということだったのでそのまま貰って乗車。ここでさりげなく乗車整理券という話をしましたが、新島々〜上高地の路線バスは現在こそさほどではないものの、観光ブームに沸いた際には大量の乗客が押し寄せ、積み残しすら発生するような状況になっていたそうです。また上高地自体も、観光地としての役割のほかに北アルプスの山々へと向かう登山客のベースキャンプという性格も持っている為に、大きなザックを持った登山客なども多く、バスに乗車できる人数にも自ずと制限が掛ってしまう訳で、その為に当日分のバスには路線バスとしては珍しく、乗車整理券を発行し、その券を持たなければ乗車できない、という制度をとることになりました。以前は乗車整理券が中々とれないが為に、折角山から下りてきたにもかかわらず数時間上高地で足止めを食らってしまう、という事態も多々発生していた位のにぎわいを見せていたこともあったようです。
現在は流石にそうした観光地ブームもひと段落したようで、到着後すぐに乗車できたのは何より。個人的には中央線の列車との接続の関係上もう少しここでのんびりしていても良かったのですが、同行の方がいたこともありその方と行程を合わせることにした訳です。
バスに乗り込んでみると、乗客は大体20人程度。丁度2人掛けの席を1人ずつで使えるぐらいの乗車率でした。たまたま一番前の席が空いていたのでそこで前面展望を楽しむことにします。そして定刻通りにバスは発車。5日ほどお世話になった北アルプスの山々ともいよいよお別れです。出発すると暫くの間は1車線程度の細い道を進んでいきます。行く時は時間帯が時間帯だけに殆どそういうことはなかったのですが、流石に有名観光地とだけあって沢山の観光バスやタクシー、そして路線バスなどとの間で何遍も行き違いを繰り返します。大正池などで若干の乗客があり、その後暫く走っていくと片側1車線の道路となり、大分走りやすくなったな、という感じがします。
そしていよいよ上高地と下界とを隔てているともいえる釜トンネルに入ります。このトンネルは文字通り上高地の生命線となっているトンネルで、1933年に旧トンネルが完成という長い歴史を持っています。その当時は交通も殆どなかった上、掘削技術も現在程は発展していなかった為に、片側1車線で、内部には多くのクランクが存在し、非常に通行に時間がかかったということです。その旧トンネルも近年になり観光需要が増え、多くの車が行き来するようになったために、観光シーズンには通過の為の待ち時間が非常に長くなり、その為にこの路線バスも随分と遅れを被ったこともあったそうです。そうした事情もあり、つい5年ほど前に片側1車線ずつの新トンネルが開通。これにより渋滞待機時間は随分と減少しました。
そのトンネルを約10分程度で潜りぬけると国道158号線と合流。行きに来た道を再び下っていきます。行きに見たのと同じ光景なのですが、それにしてもやはり随分と山深いところに来ていたのだな、ということを改めて実感させられました。また数多くあるダム湖を右に左に眺めながら、バスはどんどん山道を下っていきます。この時間は沢渡へも専用のシャトルバスが出ているので乗降もほとんどないまま、終点の新島々へと1時間ほどかけて到着しました。

新島々に到着した際に撮影した1枚。これから再び乗客を乗せて、上高地へと上っていきます。