29,札幌→蘭越(08:31→12:37)

蘭越
DE15-1520(札幌〜小樽間)
C11-171
スハフ42-2071
オハフ33-2555
オハシ47-2001(カフェカー)
スハフ42-2261
DE15-1520(小樽〜蘭越間)
↓札幌


札幌駅のコンコースに到着。発車番線にはSLニセコ号、の行先案内が。種別表示のところがSLの絵になっているのも中々凝った作りとなっていますね。

で、すぐホームに上がってもよかったのですが、別のホームに旭山動物園号が入線してくるところだったので撮影。連休中ともあり、思った以上に家族連れなどが多く、ホームは結構賑わっていました。

表示幕は、この列車の運用専用の、「旭山動物園号」に固定されていました。
続々と乗車していく人々で賑わうホームを尻目に、SLニセコ号の停車しているホームへ。

SLニセコ号のサボを撮影。散りゆく紅葉を背景に羊蹄山のそびえる背景が印象的です。

客車の最後尾から撮影。いかにも旧型客車らしい簡素なつくりが印象的です。簡単なものではあるものの、きちんとテールライトも点灯中です。隣には721系が停車中。

そして時間もなかったので車内に入り、自分の座席に向かうことにします。途中で洗面台もあったので撮影。使われているのかどうかは不明ですが、簡素な設備に旧型客車らしいどこか懐かしい雰囲気を感じます。

座った座席の窓からは、丁度さっぽろの駅名表を眺めることができました。木製の窓枠と、昔ながらのスタイルの駅名表、どこかタイムスリップした気持ちにさえさせてくれます。

そして、列車は札幌駅を発車。周辺には人口も多いこともあってか、札幌〜小樽間はDD15による牽引。SL独特のガクン、という衝撃は楽しめませんでしたが、いよいよこの北海道の土地での旧型客車の旅がスタートです。車内はそこそこの乗車があったので、客車内の撮影は取りあえず保留し、天井の雰囲気を撮影。夏場の運用に備えて扇風機も設置されていますが、この日の運行に合わせてか、車内には紅葉の飾りが設置されていました。

客車とデッキとの出入口には、このSLが停車する各駅の暖簾が掛かっていました。こちらは客車最後部だったので、終着駅である蘭越の暖簾が掛かっています。

そして自分の座席に戻り、座席番号票を撮影。ボックスのA席が、進行方向の窓側になっていたように思います。ちなみにこちらは海側でした。

ついでに座席のモケットも撮影。いかにも旧型客車らしい青モケットがここでも健在。座席の一部が石炭ストーブに置き換えられていて、真冬の運転では点火され、車内を暖めてくれるほか、するめなどを焼くことができるのだとか。

たまたま空いていたボックスがあったので撮影しました。座席と座席の間には食べ物などを置けるようにテーブルが設置されています。

暫く札幌の市街地を走った後、銭函駅を過ぎると列車は暫くの間、海岸線沿いを走るようになります。この日は天気も良かったので、遠くまで広がる青い海と、透き通るような、秋を感じさせる空が広がっているのを見ることができました。

切り立った崖が迫る海岸線を縫うように、函館本線の線路が伸びています。遠くには小樽の市街地を時折眺めることができます。

海が広がっていく向こう側には、留萌方面に連なる山々を眺めることが出来ます。

列車が海岸線に沿って走るのはおよそ10分間ほど。721系などのJR北海道の近郊型列車からも眺めることのできる景色ではありますが、やはり普通の列車とは一味違った旧型客車からの景観となるとまた違った趣があるように思います。
そうして列車は海岸線と再び離れつつ、小樽駅に到着。ここから先は機関車交換も兼ねて、40分ほど停車時間があるので、結構ゆっくりできそうです。


小樽駅では停車時間の長さもあり、殆どの乗客が一旦下車。機関車交換は基本的に列車到着後すぐ行われることが多いので、SLの先頭部に行ってみると、案の定、既にSLとDLの解結作業が丁度終わったところでした。ヘッドマークはSL,DLとも「SLニセコ号」となっています。

切り離されたDE15は、その後すぐに線路を倶知安方に向かって引き上げて行きました。

SLが今後は前面に立って牽引となります。折角なので、付いていたヘッドマークを撮影してみました。JR北海道の標準的なSLのタイプのものですが、中々綺麗にまとまっています。運行開始から随分年月が経ったせいか、少し痛みがあるように感じます。その分年季も入った、ということでしょうか。

SLの運転台付近では、多くの人々が内部を撮影していたので、便乗して撮影。いかにもSLらしい、昔ながらのアナログメーターの多い運転台です。右側にはこの日の運転ダイヤを示したスタフも見えます。

この後構内の様子を眺めてみましたが、あまり動きがなさそうだったので、折角なので一旦改札外に出て、駅付近を散策してみることに。駅前の交差点からは、少々距離はありそうなものの、まっすぐと坂を下っていく道の向こうに大きく広がる海を眺めることができました。

小樽駅の駅舎を撮影。この界隈では、赤レンガ倉庫で有名な小樽築港が有名ですが、この駅舎もオレンジ色のレンガを積み上げたような形をしていました。

この後は再びホームに戻り、今度は向かいのホームへと移動。SLと旧型客車4連の併結している姿を撮影します。SL方には発車時刻まで札幌方面の列車が停車しているので、この時間帯になると正面からは残念ながら撮影は出来なくなります。

その後、改札外に出ている間に中線を移動していたDE15が、今度は札幌方から併結の為に走ってきます。

そして、いよいよ旧型客車とDLが連結。作業員の人が青旗を振り、ゆっくりとDLは客車の方へと近づいて行きます。向かいのホームには、連結の瞬間を一目見ようと、子供たちを始め多数のギャラリーが大集合。足回りまで眺めることのできるこちらのホームにはやはり同業者の人々が多い感じでした。

そして、連結器の金属同士の触れあうガッタン、という重たい音が響いた後、作業員の方が停止を示す赤旗を上げたところで、連結完了です。

連結終了後の編成を撮影。このDE15はSLの補機として、勾配の続く函館本線での運転を後押しします。この日は天気も良く、朱塗りのDE15の色が青空のもとで綺麗に映えます。旧型客車の前から2両目辺りには、向かいのホームに停車中の721系が少し映りこんでいますね。

発車時刻も近付いてきたので、この後はSLの停車しているホームへと引き返します。折角なのでSLの動輪を撮影。トルクやモーターなどの制御装置を使って運転する他の機関車とは違って、SLは蒸気機関の動力をそのまま車輪に伝えるため、車輪も一際大きいものになっています。この迫力もSLの魅力の一つなのかもしれません。

SLの付近には、家族連れを始め多くの人々が写真を撮影しに大集結。発車時間が近付いてきて少し人が減り始めたので、まだきちんと撮影していなかったC11 171の前面顔を撮影。前面のライトを点灯させ、黒煙をもうもうと吐き出し、いよいよ出発です。
車内に入り、自分の座席に。小樽から乗車してきた乗客も意外と多く、札幌発車時点では窓側だけが埋まっていた自分のボックス席も、通路側席も埋まることに。満席、との放送はなかったのですが、7.8割の座席が埋まっているぐらいの乗車率でした。
そして長い停車時間ののちに、列車は小樽駅を発車。ここからはいよいよSL牽引となるため、独特のガクンという衝撃とともに、列車はゆっくりと走り始めます。先程の複線電化の線路とは違って、ここからは非電化単線の区間となり、また線形もカーブや勾配の多いものとなってきました。観光列車らしく、車内では車窓についての案内や、沿線の観光案内などの放送が続きます。途中何箇所か海の見える区間があったりしながら、走ること30分ほどで途中の余市駅に到着。

この駅での停車時間は10分ほどあったので、向かいのホームから編成を撮影してみました。綺麗な秋空の下、SLと旧型客車の黒い車体が映えます。

ホーム端のほうまで移動してもう一枚。向かいのホームでも、多くのギャラリーがSLの姿を撮影していました。

ホームを札幌方まで歩いて、DL方から撮影。逆光の為暗くなってしまいましたが、多くの人々で賑わう小樽駅とはまた違った雰囲気の駅で、この編成が撮影できました。
その後、再び車内へと戻ります。小樽より先の停車駅のホームでは、地元の特産品を用いたスイーツを販売しており、各駅でそれを楽しめるようになっています。向かいの席の人も買っていたりもしました。
余市駅を定刻通りに発車した列車は、北海道らしく原生林に囲まれた線路の中を走っていきます。良い天候に恵まれたこともあって、沿線には時折カメラを構えた方々の姿を見ることができました。

沿線には時折線路に沿って流れる川を眺めることができます。まだ紅葉は始まる前ですが、青々と茂る山々を背景に、綺麗な秋空が広がっています。
その後暫く走った後で、小沢駅に到着。ここで小樽方面への列車との行き違いがあるため、ホームへと降りてみました。

先頭の機関車付近ではやはり何人かの人々が撮影中。まだ濃い緑色の木々と青い空を背景にSLの黒い車体が光を浴びて、いい雰囲気に纏まりました。煙突から上がる黒い煙も印象的です。

そして、暫くすると対向列車が入線してきました。キハ40の2連での運転です。完全な逆光となってしまいましたが、一応走行写真をということで、撮影しておきました。背景の跨線橋には、SLを狙う人々の姿が所々に見えます。

駅のホームからは、遠くに羊蹄山の姿を眺めることが出来ました。雲に隠れてしまっているのが少し残念ですが、この付近までくると、札幌からも随分遠くまでやってきたのだな、という気分になります。
そして列車は倶知安駅を目指して走ります。比較的似たような景観が続くのですが、やはり普段は乗車することのできないSL牽引の旧型客車からだと、また違った空気を楽しむことが出来ます。20分ほどで倶知安駅に到着。ここでは機関車の撮影ではなく、ホーム内で売られていたクリームぜんざいを買って食べることに。

買ってきたのはこちらのぜんざい。価格は2〜300円と若干高めだったのですが、やはり産地が近いこともあり、濃厚なコクのある味だったように思います。

車内の入口には、倶知安の暖簾も健在。紅葉の枝の飾りと相まって、少し早いですが秋らしい雰囲気を演出してくれています。
倶知安駅を過ぎると、列車は全車指定席から全車自由席へと変わります。指定席の乗客はそのまま乗車していれば問題ないのですが、この区間からも、折角なのでSLに乗車してみようと、結構な数の人々が乗車してきました。この付近までくると、札幌、小樽方面からの乗客も結構下車して行ったので、それでも車内は大分余裕のある様子でした。

倶知安を過ぎると、列車は尻別川に沿って走るようになります。山間の中を走る列車の車窓から川面を眺めての1枚。穏やかな秋空が川面に反射して、こちらも青く輝いています。
そしてさらに山間の線路の中を走ること40分ほど。終点の蘭越駅に到着となりました。もともとは5.6分ほどの折り返し時間があったのですが、途中駅での乗降などに予想以上の時間がかかったようで、若干の遅れがあり、乗務員交代の後はすぐに折り返しとなりました。