30,三次〜府中(14:04~15:50)

キハ120-324(WC)

さて、三次からは福塩線普通列車で府中まで移動します。乗換時間が20分ほどあったので、中国地方の鉄道網の1つの拠点となるこの駅を、しばし散策してみることにしました。

向かいのホームに停まっていたのは芸備線の快速みよしライナーの広島行き。嘗てのキハ58.28による急行型車両2両での運用も今や昔、広島色キハ40の単行での運転でした。連休中ということもあったのでしょうが、車内は始発駅であるにも関わらずそこそこの混雑です。

ホームの後ろにある広大なヤードを眺めていると、先ほどまで乗車してきたキハ120-332が、ちょうど併結作業を行っているところでした。
嘗ては多くの客車列車や貨物の貨車が佇んでいたこのヤードも、今やこのキハ120やキハ40系列の気動車たちが行き交うのみ。時代の流れを感じさせられますね。

先ほどのみよしライナーが停車していたホームの後方には、後続の普通列車となるキハ47の2連が停車していました。快速列車の方が需要が多そうなのですが、普通列車の方が両数が多いのは少し不思議ですね。

傾きつつある陽ざしを浴びた、閑散としたヤードでは、キハ120が3両、静かに出番を待って佇んでいました。

そして、発車の7.8分ほど前に、引込線から府中行きとなるキハ120がやってきました。閑散としているのかと思いきや、地元の人などの利用で、並んでいる人は思った以上に多く、一通り座席が落ち着いたところでは20人程が乗車していました。

同じホームの後方には、今度は三江線の口羽行がやってきました。木次線とも同じく、陰陽連絡線として建設されつつも、時代の流れに取り残されてしまい、全線開通時にはもはや優等列車は無くなってしまった、という少しさびしげなエピソードのある路線ですが、直通運用は極端に少ないものの、三次近郊ではそこそこ需要があるようです。
そうしてホームを散策しているうちに、発車時間が近付いてきたので車内へ。ボックス席の向かい側のおばあさんと少々話をしたりしながら、相変わらず15km/h制限の多い路線を、列車はゆっくりと川沿いに沿って下って行きます。乗客は地元客風の人たちが塩町や、その次の三良坂や吉舎駅などで少しずつ下車していった後は概ね一定を保っていました。

爽やかに晴れ渡った秋空の下、針葉樹の緑と広葉樹の紅葉とが映えて綺麗でした。

冬至も近いこの時期、15時を過ぎれば山影が平野をしっとりと覆うようになります。普段はめったに訪れることのないような路線ですが、その土地なりに綺麗な景色に出会うことも出来るのだな、と実感しました。
ゆっくりとキハ120に揺られて列車に揺られること2時間ほど。通しで乗車する乗客が意外と多いな、と思いつつ、列車は終点の府中駅に到着です。