01,〜苫小牧(〜10:19)

車番は前日の記事を参照

さて、仙台過ぎで眠りに落ちた後は、そのまま目覚めることもなく、気がつけば青函トンネルを越えて、北海道入りをしてしまいました。

夏至のころには4時前から明るくなるというこの地域ですが、流石にこの時期は6時半でもまだ薄暗い明るさです。まだ眠気の覚めない頭で、ぼんやりと過ぎゆく雪に埋まった車窓を眺めます。

そして、函館到着のおはよう放送を聞いて、定刻通りに函館駅に到着…。連絡船時代の名残を強く残す、広大なヤードが印象的です。キハ183系、789系を始めとするJR北海道の車両たちに加え、左端にはチキの姿も見えますね。

この駅で、津軽海峡線を牽引してきたED79を切り離して、函館本線を走るDD51を繋ぎます。両者の付け替えを見ようとすると、12両の客車の長さ分をダッシュしないといけなくなるので、今回はこのエリアでしか見られないED79に焦点を当ててみることにしました。到着後は早くも、作業員の方が、機関車の開放作業を開始です。

で、大きくカーブしたホームに停車中の「北斗星」のヘッドマークを付けたED79を撮影。夜間・早朝時間帯にしか見られない機関車であるだけに、一般客からの注目は薄いですが、国鉄色を纏うその姿は凛々しくて中々素敵ですね。

貫通扉に取り付けられた「北斗星」のヘッドマークと、ナンバーを撮影。青函トンネル、という存在が大きすぎて、ついついここを走る列車は忘れ去られがちなのが、ちょっと残念です。

そして、解結作業が済んだ客車側から、結露が寒そうな「北斗星」のヘッドマークを撮影。流石に東京よりは寒かったのですが、それでもまだ零度前後のようで、耳が痛くなるような寒さではなかったのが幸いでした。

発車時間が近づいてきたので、そろそろ車内に入ります。ホームにて、発車時刻を示す案内板と、朝の空気の中に佇むブルーの客車を撮影。

自分の個室に戻る途中、おそらく函館で下車されたのだろうと思われるA寝台ロイヤルの空き部屋があったので、入口付近より撮影。ランプの形なども違い、またテレビも設置されていて、豪華さはやはり違いますね。

室内には一人用の椅子も設置されており、中々豪華な造りになっています。
で、その後は再び食堂車「グランシャリオ」へ…。今度は朝食も頂きます。「ぐるり」がなくなれば、おそらく自分ひとりでわざわざ乗りにゆく機会も、もう恐らく訪れないでしょう、ということで。

今回は洋食メニューを選びました。メインディッシュのプレートも、4種類の料理が並び、中々素敵ですね。

このメニューの他に、パンとスープ、ヨーグルトが付いてきます。昨日の夜に食べたのと同じ種類のもののようですね。

スープはコーンスープが付いてきました。中々洗練された味で、ほっと一息。

で、出てきた料理たちを纏めて1枚。一般の家族連れの人たちの中でも、携帯カメラなどで写真を撮っている人が多くみられ、デジタルメディアの普及を感じます。最近はまた変化があったようですが、この当時は和食メニューもプレート料理は同じで、パン・スープの代わりにご飯と味噌汁が付いてくるコースでした。

で、その後やってきたオレンジジュースさんとフルーツヨーグルトさんを撮影。甘いものがおいしい朝ごはんには、こうしたサイドメニューの充実はありがたいものです。
で、大沼付近の広大な景色をのんびりと眺めながら、ゆっくりと食事。テーブルが一通り埋まる程度の混雑でしたが、並んでいる人はほとんど見かけませんでした。

その後は部屋に戻って車窓の景色を楽しむことにします。森を過ぎると、列車は広大な内浦湾の海岸沿いを走る様になります。この日は波も穏やかで、雄大な北海道の景色を楽しむことができました。

この日はどんよりとした曇り空でしたが、やがて太陽も顔を出し、静かに広がる雪原を明るく照らし出します。

流石に北海道ともあり、途中の川には氷が浮かんでいました。やはり本州とは環境が違うのだな…、としみじみ。

なだらかに広がる丘陵地帯に、一面の雪原…。雪の少ない地方に住む者としては、いつみても心を動かされる光景です。

こうした雄大な景色を、ゆっくりと流れる時間の中で眺めることが出来るのは、やはり寝台特急ならではですね。

列車は再び海岸線沿いを走る様になります。どこまでも伸びてゆく海岸線を眺めながら、列車は札幌を目指して走ります。

そして、少しばかりの平地を挟み、線路と海岸線とが平行線に走ります。太平洋岸に位置するこの地域は、それでも所々で地面が見える程度の積雪でした。

大きく広がる空と海。そして手前に小さく伸びる防波ブロックが独特の空気管を醸し出してくれました。

車内放送が入ったので、通路側まで移動してみると、綺麗に雪を被った洞爺山を眺めることができました。

そろそろ苫小牧への到着を意識しなければならない時間になってきたので、最後に車内の設備を少しずつ撮影。B寝台の通路に設置されている、車窓を眺めるための椅子を撮影してみました。

乗車していた車両の通路も撮影。木目調でまとめられた、落ち着いた雰囲気のデザインです。

そろそろ下車駅の苫小牧駅が近づいてきました。下車前に車内の雰囲気を撮影。上段だったので、やはりやや窓が小さい感じがします。

車内にはテーブルや、簡素ながらゴミ箱も設置されていました。開放B寝台とこちらが同料金ともあり、人気が個室に集まるのも頷けます。

定番の「くずもの入れ」も撮影。地味な存在ですが、国鉄型の車両ではおおむねどの車両でも共通の存在です。

冬の寒い時期ともあり、冷暖房配電盤はオレンジの暖房の明かりを灯していました。
到着時刻が近づいてきたので、そろそろ下車の準備をして、出入り口へと向かいます。
そして列車は定刻どおりに苫小牧駅に到着。そこそこ多くの人々で賑わう車内で、下車したのは私のほかにはもう1名だけでした。

下車後は機関車と客車の連結部へ。ブルーのDD51とブルーの24系客車との組み合わせは、割とよく似合いますね。

そして、去り行く客車を撮影。雪の積もった線路の上を、ブルーの客車はゆっくりと去っていきました。